食育インストラクター、桐生吉弘さんにインタビューしました!
現代は、日本人としての食生活が崩壊しつつあると同時に、昔ながらの日本の食文化の中で、食材、調理法、作り手、食べ手、食事の場所、食事をする人びとの人間関係などが見直されてきています。
桐生さんは、子供たちに食べ物を通じて本物の味、日本の食文化を伝えるため、体験型食育インストラクターとして地元山形の保育園や小学校で食育のイベント、料理教室などを開催しています。
桐生さんは、高校を卒業後に父親の店(辰寿司分店)で修行を積み、更に全国各地のホテルや料理店で修行を重ねたあとは、地元に戻り仕出し屋に入店。子供が生まれたことがきっかけで、家族の為に食事を作るようになったそうですが、食についての「安心、安全」に関心を持つようになり、食育インストラクターの資格を取ったそうです。
現在は、ホテルで和食の料理人をしながら、体験型食育インストラクターとして、保育園では魚の誕生から食卓に並ぶまでを話し、そこから魚を解体、料理をすることによって、「命の大切さ」を伝え、「いただきますの意味」を教えています。そして、子供たちだけでなく、大人に向けた食育も行っています。
また、料理教室だけでなく、食品加工会社さんと食のメニューや商品開発、土鍋の良さを伝える為、土鍋調理実演会も開催、今年からは、イスラム教の方々の料理ハラール料理も手がけています。
土鍋調理実演会では、〈土鍋で有機米を炊いてみよう!〉というイベントで、基本的なお米の研ぎ方で、実際に土鍋でご飯を炊くという内容で講師を務めたそうです。参加者の方々から、「ご飯だけで食べても美味しい!」「今まで食べた中で一番美味しい!」という声をいただけたそうです。
現代はお店に行けば、たくさんの食品が並び、何でも好きな時に好きなものを買えます。
「食べ物って近いようでいてすごく遠くなっていると思います。例えばおにぎり一つとっても、お米を研いでうるかして(浸して)、さあ炊けました。それからおにぎりを握って、海苔を付けて・・・・という流れが見えません。さらに言うなら、お米なら田植えから田んぼの管理、稲刈り、脱穀・・・・といった食材の成り立ちがなかなか見えません。そういう世の中で、「命をいただく」という気持ちが薄れてきているように感じます。」と桐生さんは話しています。
「”命”を教えたい」という志を持った食育インストラクター桐生吉弘さんに聞いてみました。
資格を取ろうと思ったきっかけはなんですか?
「今の子供たちの中には、大きい魚が泳いでいるのではなく切り身が泳いでいると思っている子供がいるんだよ」という話を聞いて大変驚いたことがありました。確かに大きな魚なんて見る機会が少なくなりましたよね。そこで娘が年長の時、保育園の親御さんたちを呼んで、一匹の鱈を皆さんの目の前でさばいて鱈汁を作ったんですが、当然のように子供たちはとても驚いていました。でも、私の方がビックリしてしまったのが、親御さんたちの驚いていたことです。そして、大人を含め、今の人たちに魚がどのように食卓に来るのか知ってもらいたい!伝えたい!と思い、食育インストラクターの資格を取りました。
資格を使ってどういったお仕事に役立てていますか?
食全般について皆さん意外と理解していないことが多いことに気づき、料理教室を開催した際に、「食材がどこから来て、誰が作り、食卓に並ぶか」などをお話をしています。
これからの社会にどのように貢献していきたいですか?
食べ物ってどこから来ているのかがわからなくなっているような気がします。その事を魚を通して伝えられれば良いなと思っております。
お客様に対してアドバイスしていることはなんですか?
「命をいただいて、私たちは生きている」ということをお伝えしています。
食べることは生きることです。今ある私たちの「命」は、他の「命」をいただくことで成り立っています。私たちの口に入るまで、「命」がどのようにして入るのか、それを考えながら「命」をいただいている、ということを子供たちだけでなく、大人にも知っていただきたいと思います。
そして「感謝の気持ち」を忘れないでほしいということです。
「ご馳走さま」の「馳走」は、その準備のために走りまわるという意味があります。「馳走」とは、食材を準備して調理し、提供してくれる人の事、つまり家庭で言えばお母さんですね。そこに「ご」と「さま」を付けて、敬意を表しているんです。料理を作ってくれる人に感謝の気持ちが無ければ、「美味しくない」「食べたくない」ということになるんです。
「命」にも「作ってくれる人」にも感謝をして食べることを伝えたいと思います。
インタビューにお答えいただきありがとうございました。
食育インストラクターとは
食育インストラクターとは、食を通じて健康づくりや豊かな生活をサポートする専門家です。栄養バランスや食材の選び方、調理方法、食文化などの知識を分かりやすく伝え、一人ひとりの年齢や生活環境に合わせた食生活を提案します。
子どもから高齢者まで幅広い世代を対象に、食の大切さや正しい知識を広め、健康維持や生活習慣病の予防、心身の健やかな成長を支援する役割を担います。また、料理教室や講演会、イベントなどを通じて、食べることの楽しさや命をいただくことへの感謝を伝える活動も行っています。食を通じて人々の健康と笑顔を支える、社会的にも重要な役割を果たす存在です。





